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授業が終わり、一階に降りた。
美香は長椅子に座って後ろの人と話していた。
後ろの席に座っていたのは、タバコをくれた男の人とその友達だった。
美香は私に気付くと
「おっ!舞!オツ~」
そう言って再び後ろの男の人達と話し始めた。
私はタバコをくれた人に
「さっきはありがと!」
そう言って美香の隣に座ろうとした時…
「すげぇ可愛い」
突然の言葉にビックリして立ち止まる私。
「は?」
思わず口に出た。
男の人は
「その靴めっちゃ可愛いな!」
そう言い直してきた。
靴かーい!
まぁいいけど。
その時の靴は今でも覚えている。
某ブランドのデニム素材のリメイクブーツを履いていた私。
「そうですか?」
なぜか敬語で聞き返してしまった。
「うん!可愛いし、かっこいい!いつも二人で来とるギャルがおるって連れと話しとって、まさか話出来ると思わんかった…なぁ?」
そう言って隣にいた友達に話を振って笑った。
友達は笑うだけで何も言わなかった。
かっこいい?
普通女に言わんだろ!
そう思いながら立ったままだった私は美香の隣に座った。
そこに美香が
「てか、あたしはギャルじゃなくて、お姉系だし!」
きつめの口調で言った。
あの~あたしもギャルじゃないと思うんですけど(--;)
言いたかったけど言えなかった。
「舞さん番号教えてよ」
またまたビックリした。
元彼に未練があった私は複雑だった。
美香といろんな男達と遊んだ時もケータイの番号やアドレスは一度も教えた事がなかった。
好きな人以外の男の番号を入れるのが嫌だった。
「自分から電話せんよ?」
「いいよ!」
早くと言わんばかりにケータイを出していた。
いつもなら断る私。
何故か私は番号とアドレスを教えていた。
未だにそれが何故だったのかは分からない。
それから色々な話をして、二人と別れて美香と外に出た。
彼の名前は
長谷川悠希。
17才。
単車の免許を取りにきていた。
学年で言うと私の2コ下。
ぶっちゃけ私のタイプじゃなかった。
「舞、あんなんがいいだ?」
美香が聞いてきた。
「なわけないがん!勘弁してよ!素で有り得んし」
「だわなぁ!キモいへん!」
そう言って美香と私はギャハハと笑っていた。
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