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秀眞はうつ伏せで倒れていた航大を仰向けにして抱えると、航大は青ざめた顔でこっちを見つめていた。
みんなも駆け寄り航大を囲むように並ぶ。
4人は怒りや悲しみの混ざった表情で航大を見た。
航大の左胸から血が出ている。
「そんな、そんな!大丈夫か!?おい、しっかりしろよ!死ぬんじゃないぞ!頼むから死なないでくれ!」
秀眞はパニックに陥り頭が真っ白になった。
周りから航大!とか大丈夫か?とか聞こえるような気がするが、そんなことはどうでも良くて今は、もう長くないだろうその命を大切に、それは大切に包んだ。
「くっ、くふっ」
航大が喋ろうとする。
「い、今までみ、みんな、あ、が、と…」
航大がフニャッと力無く秀眞の腕にもたれ掛かった。
「嘘だ、嘘だろ!?なあ?嘘だと言ってくれよ!?なあ?
航大!?うわぁあああ!!!」
それはよくドラマに出てくるような臭いセリフの数々だったが、実際にその時になったら言葉では表せない思いはとりあえず、聞いたことのある言葉に変換され、自然にそれを口走るようになっていた。
そんな知りたくもないことをまさか親友の死によって知ってしまうなんて………皮肉だ。あまりにも悲し過ぎる。
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