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そこまで思うと秀眞は、今まで溜め込んだ、航大には絶対見せまいと溜め込んだ、その涙が、滝のようにこぼれ落ちた。
航大を抱きしめながらワンワン泣く秀眞の肩に涼がそっと手を置いた。
周りの仲間も、敵に勇敢に立ち向かった英雄、そして大事な親友に涙を流した。
秀眞のようには泣かないものの我慢しているのが、肩の震えを見ればわかる。
「クックックックッ!」
みんなは場に不相応な笑い声に、背筋が凍った。
その不気味な声は、なんと秀眞の口元から出ていたのだ。
今まで泣いていた秀眞がまだ涙も引かないうちに、不気味に笑い出したのだ。
「フッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」
秀眞は真上を見上げ高笑いしている。
「おい、大丈夫か!しっかりしろ!」
順也が秀眞の肩を両手で抑える。
バチッ!
その手をなぎ払うと、秀眞が絶叫した。
「グッハッハッハッハッ!お前らほんとばかだよなぁあ!」
順也は頭がいかれたんじゃないかと疑った。
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