14人が本棚に入れています
本棚に追加
連日の猛暑でメンバー全員が汗だくだった。
かれこれ2時間以上は歩いている。
「おい、あれ見ろよ」
秀眞が指をさした先には、黒い建物が自然に溶け込むように建っていた。
2階建てで窓ガラスは割れ、コンクリートにはひびがはいっていた。
まさに廃校である。
「ふぅ、やっと着いたな」
秀眞は汗を拭いながら言った。
「よし、いってみよ~!」
涼は声を張り上げた。
全員は校舎へと向かう。
校舎の中に入ると1-1から3-4までの下駄箱が並んでいて、一番右側には教職員用の下駄箱があった。
「高校ん時を思い出すな~」
雄一が言った。
航大以外の4人は、高校からの付き合いだった。
航大は引っ越してきたのだ。
「あ~そういえばお前、となりのクラスの奴に告って振られたよなー」
ちゃかすように順也が言った。
「もう忘れてくれよ!」
そこに涼が加わってきた。
「お前はやり方がだめなんだって、いいか、告る時はまず相手の目を見て…」
「あ、涼、水筒ある?」
涼のマシンガントークが炸裂する前に、秀眞が割って入る。
経験上、この先止めなければ30分は話しているだろう。
「ったく、人が話してる最中に」
文句を言いながら涼がリュックの中から、水筒を出して秀眞に渡した。
「サンキュー!」
ゴキュ、ゴキュ、ブハー!
「よし、水も飲んだことだし、さっそく探索してみますか!」
「そうだね、じゃあ二手に別れようか!」
航大が賛成する。
こういう場合二手に別れるのは相場で決まっているのである!
最初のコメントを投稿しよう!