黒ずくめの男

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その頃… 秀眞達は階段を上り二階へと進んでいた。 二階に着くとそこは3-1から3-4の、教室が順番に並んでいた。 「ここ入ってみようぜ」 秀眞は一番近い3-1に入る。 机はほとんど無くなっていた。 「はぁ、腹減ったな~」 蚊を追い払いながら、涼が言う。 メンバー全員昼から何も食べていなかった。 「今日はこの教室見終わったら夕飯にするからよ」 秀眞はデジタルカメラを準備しながらそう答えた。 「よし、準備できたぞ!ほら、そこに並んで!」 涼は最後の力を振り絞りピースのポーズをとったが、その間抜けな様子を見て雄一が笑った。 パシャ 一枚目を撮ると秀眞は、デジタルカメラの画面を確認した。 「なんか写ってる?」 雄一が聞くと秀眞が大袈裟な素振りで驚いてみせた。 「へ!?なんか写ってた!?」 2人が秀眞に近寄る。 「なんかキモイの写ってるんだよ、ほら、これ!」 秀眞が指差したのは魂がまるで宿っていない涼だった。 「たしかに」 「な!失礼な!」 秀眞と雄一の発言に、涼はムッとして言った。 「まあまあ、とりあえず戻ろうぜ。もうそろそろ時間だぞ」 時間はまだあるが、めんどくさくなってきた秀眞は言った。 何より空腹には勝てなかったのだ。 「そうだよ、あいつらに写真見せたら腰抜かすよ」 「しばいたろか~!」 そんな調子で3人は階段を下っていった。
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