君の名前はただののぶお。

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ノブオと暮らして一週間。 わかったのは あいつはただ飲んで食って寝ることしかできない! 「ノブオ!起きないかっ!今日は学校なのだろう!?」 毎朝こうして起こしにいくのが習慣になった。 「ンファ~ンファ~」 そしていつも通りノブオは起きない。 「ノブオッ!起きろと言っているだろっ!!!!!」 ノブオの小さな鼻をつまみ、唯一形のいい口も覆ってやる。 「ンファ~……ンガッ!?」 ノブオは小魚のような極粒の眼をパチクリさせている。 何が起きたのか分かっていないのだろう。 「ノブオ、朝だ。学校へ行くんだろう?」 「…ん。ノブオ学校行く」 「ああ。分かっているから顔を洗ってこい」 「うん…」 ノブオはベッドをしならせながら部屋を出て行った。 寝起きだけ自分のことを名前で呼ぶノブオ。 かわいいヤツだ。 舌ったらずなしゃべりで あのちっこい眼をこするノブオは赤ん坊のようで つい抱きしめてしまいたくなる。
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