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ソレは今…つまり現在から遡ること50年。
バンパイアの国、バン国ではそれはそれは暗雲立ち込める、歴史上最悪の日だった。
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ゴロゴロゴロゴロ…
「こん…っの」
「バカモノがーっ!!!!!」
ピカッ…!
「ひぇ…!」
振り下ろされた杖を必死に避ける僕。
「このどら息子がっ!避けるな!」
「だって!逃げなきゃ痛いじゃないですか!」
もう一度上下する杖に白羽止めをかける。
父上は怒りにプルプル震えると
「痛みなど感じんと何度言ったらわかるんだ!我々は人間どもとは違うのだぞっ」
「しかし心は痛みます!」
「黙れ黙れ!まったく…おまえという奴はどうしてこうも弱いのか…」
父上は僕が生まれてから何度めか分からないため息をはいた。
別に僕は本当に弱いわけではない。
ただ…
「何度言われても…人間の血は吸えません」
僕は菜食主義者なのだ。
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