君と僕が出会うまで残り3時間。

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ソレは今…つまり現在から遡ること50年。 バンパイアの国、バン国ではそれはそれは暗雲立ち込める、歴史上最悪の日だった。 ============== ゴロゴロゴロゴロ… 「こん…っの」 「バカモノがーっ!!!!!」 ピカッ…! 「ひぇ…!」 振り下ろされた杖を必死に避ける僕。 「このどら息子がっ!避けるな!」 「だって!逃げなきゃ痛いじゃないですか!」 もう一度上下する杖に白羽止めをかける。 父上は怒りにプルプル震えると 「痛みなど感じんと何度言ったらわかるんだ!我々は人間どもとは違うのだぞっ」 「しかし心は痛みます!」 「黙れ黙れ!まったく…おまえという奴はどうしてこうも弱いのか…」 父上は僕が生まれてから何度めか分からないため息をはいた。 別に僕は本当に弱いわけではない。 ただ… 「何度言われても…人間の血は吸えません」 僕は菜食主義者なのだ。
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