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僕の吸血事件のせい(?)でタチバナは気を失ってしまい、しかたないから僕がタチバナを保健室というところまで運んでやった。
…が、
「オイ、なかなか起きないな」
もう10分は経ってる。
いつまで気を失ってるつもりだ。
「そりゃそーだろ!あんな衝撃的なことされて…!」
ノブオは嫌なものを思い出したみたいに顔をしかめた。
「僕はただ純粋に血を吸いたかっただけだ」
「おまえベジタリアンなんじゃなかったのかよ…!」
騙された、と騒ぐノブオ。
「別に騙してたわけじゃない。あれは偶然だ」
そう。本当に偶然としか言いようがない。
実際、僕自身が1番驚いていた。
人間の血は間違っても吸えないと思っていたのに
まさか人間界生活一週間にしてバンパイアの性が目を覚ますとは…。
「とにかく!しばらくオレには近づくなよ!?」
ノブオはすでに半歩下がっている。
…そうあからさまに避けられると不愉快だな。
「ハァ。この際だから僕も言っておくがな、僕は絶対にノブオの血だけは飲まない。絶対にだ」
これだけは何があっても覆ることはないだろう。
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