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人間は、理解できない…。
「何だここは…。人だらけだ」
日曜日。
おまえのそのマントは目立ちすぎだ、と言われ
『ならどうすればいいんだ』
『そうだ!服を買いに行こうっ』
という具合でノブオに連れてこられたまではまあ、よかった。
…が、しかし!
「くそっ!歩けないぞ!オイ、ノブオッ!一人で先に行くなっ!っおいキサマ、僕の足を踏むとは一体…!」
ノブオはひしめき合う人込みにも関わらず、スイスイと前に進んでいく。
肥満のくせに!
「もうなにやってんだよ。避ければいいだろーが」
ノブオは僕のところまで戻ってくるとバカにしたような声で言ってくる。
「避ける?なんだソレ。どうしたらいいんだ」
だが、残念なことにタカシは今まで道を譲られたことはあっても、自ら他人を先に行かせたことはない。
ノブオの言う避け方が分からなかった。
「おまえ、ホント…よく生きてこれたな」
ノブオは世間知らずなタカシに対して感動すら覚えていた。
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