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午後5時頃。
ノブオが帰ってきた。
「タカシ、ただいま!」
…やけに上機嫌だな。
うっとうしいやつだ。
「……。何かあったか」
後々面倒なことになりそうだから一応聞いてやる。
にもかかわらず、ノブオはヘラヘラと
「んーん。なーんにも!タカシは気にしなくていいよ。オレのことなんてチリのように思ってくれて構わないから」
ならいいか…。
「わかった」
僕は即答した。
「っえ、ちょっ!バカ!何分かっちゃってんだよ、ヤダよチリとか!」
………おまえはなにがしたいんだ。
正直ここまでノブオの思考回路が読めなかったことはない。
僕はノブオにかけてやれる言葉が見つからず
ただノブオを見守るように見つめていた。
そんな僕の視線に気付いたのか
「あ…いや。いい、いい。大丈夫、心配するな」
ノブオは一人で首を横に振り出し、余計に僕の不審を煽った。
僕はノブオの動きを止めるべくヤツの頭をがっしり両手でホールドする。
「おい……もう分かったから」
頼むからやめてくれ。
こっちがおかしくなりそうだ。
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