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言葉が出てこない。
唇を開いても、空気が洩れるだけだった。
…オレの血?
吸われる?
一人悶々としているところに
「…なぁ、おまえの首の血、止まってないからな」
タカシから冷静な現状説明。
手を当ててみればヌルリと生暖かい感触。
ふとその手に目線をずらせば指…いや手全体にベッタリと赤が広がっていた。
「…って、ぇえッ?!ヤ、ヤバいよこの量!出過ぎだ、死ぬだろうが!!!」
いまさら焦り出すノブオ。
タカシはもう一度さっきより大きめのため息をつくと意を決したようにテンパるノブオに声をかける。
「ソノ傷口はバンパイアしか癒やせない」
「ハァ!?じゃあ早く何とかしろよ!」
「騒ぐな。正直イヤなんだよ。おまえの血はマズすぎる。いやでもな、結局僕はノブオの血しか吸えないし…練習と思えばいいのか?」
「なんでもいーから早くして!」
マジ死んでしまう!
ノブオが懇願すると流石にタカシも諦めたようにノブオの首筋に触れ、そこに顔を近づけると
チュッと吸い付いた。
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