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校門前。もう5分ほどここにいる。
ノブオが行かせてくれないからだ。
「いいな。おまえはただでさえ目立つんだから、余計なことはすんなよ?」
「分かったと言ってるだろ」
まったく何十回も同じことを…。
「ホントに分かってんのかっ?女の子に告白されて、断るときは!?」
「…《ごめん。今は誰かと付き合ったりとか、考えられない。》」
「そうだ!いいぞタカシ!グッジョブ、エクセレント!くれぐれも、自分が吸血鬼でオレの血しか飲めないからとか言うなよ!?」
「分かった、分かったからもう行かせろ」
しつこすぎる…。
「あーあ、あの時学校でおまえに声なんかかけなきゃ、知らない人ですんだのにな…」
「それももう20回聞いた」
正解な数字を示してやると、ノブオはそんなに?と言って少し落ち着きを取り戻した。
「…じゃ、まあ。行くか?」
「さっきからそう言ってるだろ」
気は長いほうじゃない僕が、ここまでコイツに合わせてやったことだけでも奇跡なのだ。
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