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「あっ、何で来たんだよお前ら!」
「じっちゃっから聞いたんだよ! 彦波だけ遊ぶなんてずるいぞ!!」
「あっ、オレもっと高く石積めれるぞ!」
集まった子供はざっと五人。社長の周りをくるくる回りながら好き放題騒いでいる。其の中の女の子が、社長と目が合ったかと思うとぐいと身を寄せて来た。
「わー! 目キレイ、ひすい色だぁ。あっ、髪金ぴかー」
「変な服~」
「いたたっ! 首締まるから!!」
髪と緩めたネクタイを引っ張られる社長。何とか引き剥がすと、今度は男の子達が背中に乗っかって来た。
「お、重い……」
立ち上がってもへばり付き離れない子供達。いつの間にか便乗して彦波まで抱き付いている。
「肌真っ白だ!」
「こんな着物見たことないや!」
「さわんな! オイラが最初に見付けた異人さんだい!!」
思い切り珍獣扱いの社長。此のままでは体力が持たないので、一人引き剥がすと思い切り河へ投げた。
「あぁなりたい?」
今度は素直に離れた子供達。社長は安堵の息をつくと、投げ捨てた子供を回収しに行く。
河は浅瀬だが念のため手を引いて河野へ連れていくと、色々と疲れた社長は其の場で座り込んでしまった。
(子供達と遊ぶのは大変だな……)
でも、楽しい。幼い頃出来なかった娯楽だから。
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