妄想

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 暗くて姿が見えないが、声からしてまだ若そうだ。 「でも、死にたくない」 「そうやって逃げ続ければ、助かると思ってるのか!?んなわきゃねぇだろ!この地球が奴らに占領されてる今、逃げた先には必ず天津人がいる。だったら今戦って、お前の居場所を守るんだよ!」  不思議と説得力のある言葉だった。 「俺の……居場所……」 「おうよ!いいか!お前を信じるな。お前を信じる俺を信じろ」  なんだそりゃ。  そんな言葉が溢れそうになったが、堪えた。  この男を信じよう。今はそれしかない。 「さぁ行ってこい!今前線に美弥がいるから、そこで合流しろ!」 「ああ!」  ライダースーツを着て、マフラーを整え、ドクロのマスクを被る。 「うぉぉおおおおお!」  穴を飛び出し、一気に突っ切る。
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