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戦闘の最前線で、美弥は悪戦苦闘していた。やってきた天津人はおよそ八人だが、それぞれの戦闘力が高すぎる。触手を伸ばしても、あっさり避けられてしまうのだ。
「あぁもうイライラするなぁ!」
彼女の戦闘スタイルは、触手で直接天津人の動力炉を抉るか、その曲がる特性を生かし、敵を手繰り寄せて殴るのが基本だ。だがこの場合、敵がスピードに長けている為、どちらも通用しない。
「なっ……!」
気がつけば、八人の天津人に囲まれていた。イーッと奇声を発しながら迫ってくる。ここで怖いのは、その手から鈎爪のようなものが生えていることだ……。
自分は殺されるんだ。そう確信した。
その時だった。
目の前を金色の何かが横切った。羽根のようなものがあるが、鳥ではなかった。
コウモリ。
だがすでにそこにコウモリはいなかった。目の前にいたのは、ドクロを被った男。先ほどまで共にいた青年。スケイルであった。
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