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目の前に広がるのは、血肉の塊ではなく、金属の破片と熱い液体だ。
スケイルは人を殺したのではない。天津人を破壊したにすぎない。
だが、彼にとってそれは、同族を殺したに等しい思いをさせたようだ。
スケイルは頭を抱え、踞ってしまった。
「ちょっと……。大丈夫?」
「う……うわぁっ!」
スケイルは、腕についているナイフを美弥に突きつけた。
「ちょっと……。どうしたの?」
「来るな!来るなぁ!」
ひどく怯えているようだ。一体、彼の目に美弥はどう映っているのだろうか……。
「とりあえず、帰らないと」
美弥は背中から触手を出し、スケイルの腕を動かせないように拘束した。
「や、やめろ!やめろ!」
「落ち着いて!」
そのままスケイルを引っ張り、鋼鉄の縦穴住居へ帰ることにした。
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