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「よし、決めた!」
「何をです?」
何かを思い付いた先生に、私は尋ねる。
すると、清々しいくらいの笑顔になった先生が腕を組んで告げた。
「みゃーこはしばらく美術室に立ち入り禁止!」
「は?」
おそらく、誰が聞いても教師に対する生徒の返事とは思えない声が、自然と私の口から溢れる。
「あ、もちろん放課後だけね?公認で授業サボれてラッキー♪とか思っちゃダメよ?」
「いやいや、そうじゃなくて!意味が解んないですって!」
「こんなとこに籠ってるから、構想もまとまらないんだよ。だ・か・ら、ガッツリと気分転換して貰おうかと先生は思ったわけよ♪」
褒めて褒めて~と、言わんばかりにニコニコしながら話す先生。
「いや、そうじゃなくて。部活はどうするんですか!」
「いいんじゃない?この時期は、基本的に自由参加だし。それに、他の子も自宅作業してるだろうし。今だって、居るのは私らだけっしょ?だから、問題ないって。」
「でも─────」
反論しようとする私の肩を掴み。
回れ右をさせた先生が、私の背中を押して強引に歩かせる。
「はい決めた!先生が決めました!決めたら即実践!・・・あ、これ先生の座右の銘ね?」
私のことなどお構い無しに、先生は私と荷物を廊下へ放り出した。
「ちょっと、先生────」
「じゃ、頑張って気分転換するんだよ?」
ガラガラガラ─────バタン!
ガチャッ!
先生が笑顔でドアを閉めると、中から鍵を掛けてしまう。
しばらく呆然としていた私だったが、とりあえず下駄箱へ向かうしか思い付かなかった。
って言うか・・・気分転換って、頑張るものじゃないよね?
先生の無茶な言い分も、私を思って言ってくれたのだと思うと流石に無視は出来ない。
それに、閉じ籠ってばかりじゃ良くないのも、私自身感じていた事でもあった。
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