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しばらくは何の変わりもない生活を送った。
仕事もコンビニの従業員として働いていた。
我が家は家賃制だったが、その家を取壊しになることになり、新しい場所へと移転した。
愛犬・ムックにすれば、久し振りの外だった。
少し歩いてダメだったら、諦めようと思った。
だけど、本能なのだろうか?
お尻に振り回されてはいるが、少しずつ歩き初めていた。
でも、車が通ると私の足元にピタッとくっついて怯えていた。
事故の恐怖が残っていて怖いんだと感じた。
「ムック大丈夫。
蘭守るから」
私の胸の中に顔をうめて見ない様にした。
「大丈夫大丈夫。
怖くなーい、怖くない」
動かないはずの尻尾がかすかに振っていた。
「ムッちゃん尻尾振れるんだね~凄いぞ」
普通に歩けば、新しい家までは約15分だけど、ムックに合わせてゆっくりと歩いて行った。
35分かかったが。
新しい家に着いて、母にこの機会にムックを再・外デビューしても良いんではと提案。
母は少し納得はしていなかったが、車の通る道に居る訳でもないから大丈夫だと言ったら納得し、約1年ぶりの外デビューした。
遠くから、様子を伺うとあっちこっちふらつきながらも歩いていた。
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