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「蘭……成人式に出る?」
招待状に目を通したかよちゃんが私に聞いた。
「言ったでしょ?
行く気はないよ」
「後悔しない?」
「しないね。
気持ちは変わらないし、どうして成人してまであいつらに会わなきゃならないのさ」
「そっか……」
「ごめんねわがまま言って」
「なんもだ。
ただ蘭の振り袖姿見られないのが残念だけど」
成人式当日……
振り袖姿の麗とパパは写真を写した。
そして……パパは家から去って、自分が生まれた滝川に行った。
3人の生活が始まった。
女同士だったから、毎日が楽しかった。
かよちゃんは、私が働く職場の店長と、店長の1人娘の百千美(つぐみ)ちゃんと、食事会をしたりした。
自分には、双子の妹が居ても、歳が下の妹が百千美ちゃんなら良いのに……と、感じた。
出会った頃は、私達よりも身長が小さく人見知りをしていたが、3人で居る時はすごく笑顔の可愛い子だった。
私達21歳に、母は店長とのお付き合いが始まった。
離婚が一年未満だったので、再婚は母には出来ないけど……それまでは姓名二つあるような形で過ごす事になっていた。
念願だった自分に年下の妹が出来たのが嬉しかった。
麗は、私お姉ちゃんが居て、妹が出来て喜んでいた。
百千美は、欲しかったお姉ちゃんが2人に喜んで居た。
義父はお前達が結婚するまで面倒みる!と言った。
再婚相手の子供1人が難病を患っていても構わないと言ってくれた。
その言葉は凄く嬉しかった。
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