-手術-

2/9

366人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
-春- 晴れて新1年生となった。 1年生は4組まで、150人以上がいた。 蘭は1年1組。 麗が1年2組。 浮き浮きとしていた自分。 でも…1年生で勉強での記憶がない…… 左のこめかみあたりと、左目に激しい激痛に襲われた。 立てないぐらいの激痛…… 病院に行くと……また脂肪がたまっていて、パンク状態になっていいた。 そのまま入院となった。 手術となると……大きな手術となるので、体力が必要とされていた。 身長も体重も……平均より明らかに小さく、体力も同じだった。 6歳で、100cmもなく……わずかの88cmの体重は20kgもない。 「大きな手術となると、今の蘭ちゃん体力に耐えられるかが問題です」 医師はそう告げた。 痛みに苦しむ我が子を前にして、父はいった。 「蘭を、娘を助けてください!!」 母も私が痛がる姿はほんと見てられなかったといっていた。 その記憶はないが、母が言うには…… “蘭は偉かったよ。 蘭と同じくらいの子供は、痛みに耐え切れなくって……痛い痛いって大声で泣くのに、蘭は必死で痛みを耐えていたんだから” 緊急手術開始された時、 私は麻酔によって寝かされていた。 大きな手術室。 大浦医師を筆頭に、若手の研修生がズラッといたという。 手術となれば全身麻酔の上……母達はそれをみて不快を感じた懇々と説明する教授。 マジマジと患者の体のカフェオレ斑に触る研修生。 さすがに父親がキレて。 「うちの娘はあんたらのモルモットじゃないんだぞ!! 気安く娘に触るな」 怒るのも無理ない。 8時間という長い手術を終えて、私はICUに入った。 私が目を覚ましたのは、手術後から3時間程。 息苦しい酸素マスク。 体がやたらと重たく、左顔やひどい頭痛で目眩や嘔吐があった。 鎮痛剤の効果はあまり効いていない。 それと機械の音やら無数に紐みたいのが体に付けられていた。 右を見ると……白衣を来た母と父の姿。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加