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1週間たったら……ママ帰っちゃうんだ。
麗が持ってきてくれたクマのお人形遊びをしていても、ちっとも面白くはない。
ママが帰ってしまうので、頭がいっぱいだったと思う。
心の中で、ママ……行かないで、蘭を1人にしないで。
なんであの時に……“さびしい”って言わなかったんだろうと思う。
でもそうは思わなったと思う。
麗だって……大好きなママと離れていた。
麗の方がさびしいんだと思った。
溢れそうな涙をこらえた……
でも……ママはそんな私に気付いたのかはわからない。
聞こうとは思わなかった。
歩行練習を始めた。
半年以上も車イス生活が続いたせいで、足の筋肉がかなり衰えていた。
頑張って歩けば、早く学校に行ける。
お家にも帰れる。
もう練習のお陰で1人で歩けるようになった。
点滴からの栄養剤から開放された。
残ったのは甲だけとなった。
ミキサー食でも栄養が足りないので、栄養ドリンクを出された。
朝昼晩に1本。
味は甘くもなければ苦くもない。
ドロッとしているだけで、なんの味もない。
子供にすれば……けして好かれるモノではない。
はっきり言って嫌いだった。
「蘭コレ嫌い…」
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