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「それを飲まないとうちの帰れないんだよ」
泣きながら訴える。
「嫌だよ…
蘭…ちゃんと飲む……」
「だったら飲みなさい」
入口で、麗とパパがきた。
「蘭ちゃん」
「麗ちゃん」
「麗、蘭は悪い子なの。
お薬を飲まないんだよ」
麗は私の手を握って。
「早く元気になってお家に帰ろう?」
手が凄く冷たかった……
小さな丸めた雪を持ってきてくれた。
そして1週間後に母は家と帰った。
度々母がお見舞いに来てくれた。
母が持って来てくれたアンパンマンのパン。
それが凄く食べたかった。
当時のアンパンマンのパンはちょっと固くって甘く。
今の私には食べ物制限されていて、当然食べれかった。
母達が帰った後……
全財産だった大きな500円玉を握締めて買いに行った事もあった。
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