-手術-

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季節の変わり目のせいで、体調を崩した事もあった。 元々、気管支喘息までも患っていた。 発作が出れば、手術も出来ない。 今回の手術の時は発作が出なかった。 免疫力も自力で発作を抑える事も出来ない。 手術する際、麻酔は喘息には効かなく、手術中に発作がでる人も居るらしい。 手術する時に発作を抑える薬を注入されたままやると、聞いた事がある。 未だに冬の時期になると、発作を起こす事がある。 ある程度の発作なら、自力で抑える事が出来る様になった。 自分が飲む処方の薬を飲み過ぎると心臓に負担がかかるらしい。 1人で寝て居る時、手の甲に湿ったモノを感じた。 最後一つだけ残った点滴がはずれていた。 点滴の針の先には、液が出ていた。 見た目は縫い針に似ている。 よ~く見て見ると針の中心は穴があった。 「お注射や点滴の針こおなってるんだ……」 何を思ったのか? 針を元の場所に刺そうと思った。 その場面を見た看護師さんが。 「蘭ちゃん何やってんの!?」 「これ外れちゃって、元に戻そうと思ったの」 「私がいるから呼んでくれたらいいのに」 看護師さんが言うのも無理はない。 6歳の子供が危ない事をしていると思ったに違いない。 自分でも、勇気のあるお子様だな……と思った。 きっと怒られると思ったではと思う。 小さい時は、両親との食卓が嫌だった。 私は元々左利きで、左で箸なんか持ったら、叩かれていたからだ。 子供が左利きを使う時は、大抵親が前に座るから、親の真似をしょうとする子が、鏡合わせみたいになるのだから、使用をしても仕方ないとは今は思う。 左脳の支障で、左利きしかという考えも出来そうだが…… (当時は“恥ずかしい”と言うのがある。 今左手を使ってもいわれなくなったが) 何せ外に出しても恥ずかしくない様に仕付けられていた。 ひとつでも間違えれば、家に帰った後に怒られるのが分かっていた。 自分が怒られる原因がなくっても、麗が間違えれば、連帯責任となるぐらい……厳しかった。 多分……それが脳裏に残っていたんだと思った。
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