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私には未だに…唯一嫌な思い出があった。
まぁ色々あるが一つは学校から配れるプリントだ。
それもお金に関する事。
母は口癖かの様に言う一言があった。
「はぁ~また学校からのお金かい?」
母のつく溜息がいやだった。母は決まって言う言葉は
“始まった”“またかい”だ。
「毎日毎日麗からもお前からもお金!お金なのかい!?」
その一言が嫌だった。
好きで持って来た訳じゃないのに……
学校から貰って親に渡す様に言われただけなのに……どうしてこんな言われ様されなければならないのかわからなかった。
「たださぇお前に病気に金かかるのに!!」
母がライターを投げ付けられた。
幸い自分には当たらなかった。
虫の居所が悪いらしい……
当時の自分には虫の居所なんていう言葉なんかしらないのが当然と言えば当然。
いくら7歳の子供でも哀しかった。
じゃあ蘭だけはどうして病気なの?
どうして蘭だけお金がかかるの?
麗は…麗にはどうして言わないの?
ライターを投げて、回避した私を見て苛立ちを見せて、テーブルに置いてあった父の小説が私に目掛けて投げてきた。
右瞼に小説の角がヒットした。
あまりの痛さにしゃがみ込んでしまい右目を手で覆った。
母は顔色変えず言われた一言は…
「お前って本当大袈裟だね!!当たってないのに!!サッサとご飯食べて学校にいきな!!」
ご飯なんか食べれる状態じゃなかった。
濡らしたハンカチで右目を隠して、学校へと向かった。
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