-3回目の手術-

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先生は親に連絡して、母と会話をしていた。 何を話をしていたのかは知らない。 早退して母に言われたのは、“大丈夫?ごめんね”ではなかった。 自分が予想していた優しい言葉ではなかった。 「お前……余計な事先生に言わなかったべね?」 「言ってない」 「うちに帰ったら薬飲んで寝なさい」 冷たい一言だった。 蘭はママの子じゃないのかな? 病院にいた時の優しいママはどこいったの? 昼御飯なんか当然食べれなかった薬を飲んで横になった。 その時何を考えていたのかはわからないけど、泣いていたんだと思う。 薬が効いたのかいつの間に眠っていた。 目を覚ますと、麗が手を繋いでいた。 「蘭ちゃんただいま」 「麗ちゃん…部屋にきたらママに怒られるよ?」 「だいじょーぶ? 先生蘭は先に帰ったって…」 「麗!! 蘭ほっときなさい!!」 「はぁい…」 麗にはすごく優しいママ。 蘭にはどうして怖いママなのかな? 蘭ママの言う事ちゃんときくのに…… しばらくしてから、 また手を繋いでくれた…でもそれは、大きくって、外の匂いがして冷たかった。 「蘭? 目大丈夫か?まだ痛い痛いか?」 「パパ……」 パパの顔を見た瞬間涙が溢れた。 その夜……パパとママは喧嘩をしていた。 蘭と麗の部屋の襖の向うは茶の間だった。 両親の夫婦喧嘩の声で私は目を覚ました。 麗はまだ聞こえてはいなかった…… 麗を守らなきゃと思っていた矢先に襖がドンッ!!と、言う音に襖が自分達に倒れてきた。 咄嗟に寝ている麗を庇った時、襖は倒れては来なかった。 見てみると母が襖を支えて居た。 「ちょっと!!麗にあたったらどうするの!!」 ああママは麗ちゃんを庇ったんだ。 だって蘭の名前呼ばなかった…蘭は麗ちゃんとは違うんだ… 病気持った子いらないんだ。 記憶にあるのはそこまでだった。
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