-イジメ-

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この時一番敵に回したくない人だと思う。 今は自分が思うのは、 母にどんな事を言われても、全ては自分の為に、言ってくれたんだと思う。 子を持つ母は、凄く凄いと思った。 そう考え方が出来る自分は、ちょっと大人になったんだと思った。 でも、この時の自分は…人生第1の分岐点なんだ。 母は、 「そんなイジメがあるなら、もう学校に行かなくっても良い!!」 「でも…たださぇ勉強がおくれてるし頑張っていってみる」 学校に行っても、楽しいハズがなかった。 蘭は自分に言い聞かせていた。 自分は手術に耐えられる様に少しでも自然に近く、浜風がある雄武に来ただけ… 元気になったら、こんな所を離れて、生まれた札幌に帰るんだ。 パパやかよちゃんに頼んで…家族四人で帰るんだ。 そう言い聞かせていた。 今…自分がする事は勉強、先生と約束したんだ。 でも…そう思って勉強をしていても現実は甘くなかった。 教科書はボロボロに引き裂かれては、死ね、雄武から出て行けと書いてあった。 あっちで、友達が大事な所を書いてくれたものが… こんなにも簡単に引き裂かれるなんて… 新しいのを貰う事もしなかった。 教科書を買うのもお金掛かる。 でもかよちゃんは、多分今使うモノに関してはお金掛かるなとは言わない。 何となくそう思った。 学校に絵具やお習字道具や家庭科で使うお裁縫道具は、絶対に学校には置かない様にした。 かよちゃん(ママ)が蘭が学校に入学する時に蘭が好みのキャラクターで全部揃えてくれた。 お裁縫道具やお習字道具、絵具も日教具も全てはキャラクターだった。 麗は麗の好きなキャラクターだった。 キャラクターだけを集めて買うなんて、相当の額に違いない。 でもかよちゃんは, 蘭や麗が喜んでくれる笑顔があればそれでも構わないと思ったといっていた。 学校には絶対置いて行きたくなかった理由だ。 毎日、手提げ鞄は欠かさず持って行っていた。
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