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「かよちゃんおはよう」
ご飯支度をしていた母。
「おはよう蘭。蘭が大好きな卵焼にしたからね、たくさん食べなさい」
「かよちゃん…蘭の鞄の紐縫ってくれて有難う」
「頑丈に縫ったから、ちょっとやそっとじゃあちぎれないよ」
「うん」
かよちゃんに心配かけたらだめだ。
かよちゃんやパパが泣いてる姿が見たくなかった。
蘭が耐えればいいんだ。
そう耐えれば……イジメは日に日にエスカレートしていった。
かよちゃんに言えばきっと迷惑かける。
精神的に追いやれたのかもしれなかった。
誰にも相談する事もなく、
楽しくやっている妹の麗まで恨む様になった。
なんで麗は楽しくやって…
そればかりだった。
学校を早退しては、寄り道していた。
帰る途中に、飼われているワンちゃんが妊娠していた。
「お前お母さんになるんだね…元気な子供を生んでね。
病気じゃなく健康な子供…お願いね」
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