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何ヵ月ぶりの学校…もう何年も通っていない様な感じいだった。
登校時間に同級生に逢うのがイヤで、時間帯をずらしていった。
下駄箱をあけると、上履きは片方しかなかった。
残された上履きの片方は、
もう履けない状態だった。
かよちゃんやパパがうちらの為に働いて 買ってくれたものなのに……
上履きの裏にはびっしりと画鋲だらけだった。
上履きを履かずに、校長室へと行った。
校長はニッコリ笑い迎えてくれた。
上履きを履いていない私の姿を見て、学校用スリッパを持って来てくれた。
「足冷たいでしょ?これを履いてね」
お言葉に甘えてスリッパを履いた。
「蘭ちゃんきてくれてありがとう先生は嬉しいよ。蘭ちゃん今まで気付かなくってごめんね」
「何で先生が謝るの?」
「え?」
「先生は何も悪い事言ってないもん」
「先生が悪いんだ。
蘭ちゃんが苛めにあっているなんて知らなかったから、それを知らない先生が悪いんだ」
「…………」
「先生ね…蘭ちゃんが前にいた小学校の先生とお話をしたんだ」
「三上紀子先生?先生元気だった?先生体調崩してなかった?」
蘭の言葉に校長先生は笑った。
「本当、蘭ちゃんは優しい子だね?三上先生は蘭ちゃんの優しさを知っているんだね。
元気でしたよ。ただ蘭ちゃんの躰を心配してね。事情を話したら先生は泣いちゃったんだ」
先生は話してくれた。札幌と雄武は離れていて、会いに行けない。せめて雄武でも蘭ちゃんの担任やれたら、どれだけ蘭ちゃんが安心するのか…っと話していたそうだった。
「蘭ちゃんは三上先生がまた担任になってくれたら、嬉しいかな?」
「嬉しいけど…わがままなんかいえないもん」
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