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「こんな事ばかりしていたら、高校なんか入れっこないよ?いくら成績が良くたって“内申書”に引っ掛かれば行きたい高校になんか入れないから」
内申の意味を知っていたからこそ言えた。
内申書は学業の成績や人物評価などを書いて、出身学校から、その人の志望する上級学校報告書。
いくら成績が良くても、人物評価が悪ければ、他校側も受け入れたくない。
書き替えて報告書をだしても、ボロが出る。
そうなれば、高校側は、その中学校から生徒を取る事も信頼を失う事も知っていたから。
「今からでも、下らない事しないで内申に掛かれない様に努力したら?あ、もう遅いかもね?」
それからと言うもの自分の中では充実した学校生活だったと思う。
菊地先生は、雄武高等学校の教師立花先生と結婚した。
先生の授業を受けていた時、先生は教壇の上で倒れた。
「せんせ!!」
皆がザワザワとなる。
「せんせ大丈夫?保健室いこう?」
「保健室行く程じゃないから大丈夫だよ蘭」
「でも……」
すると…何かを感じた。
気のせいじゃない……。
「赤ちゃん……」
「え?」
「せんせのお腹に赤ちゃんいる。一回保健室行こう?」
先生は1人で行けると言い、保健室へと向かった。
すると、後日、先生は妊娠していた事を報告してくれた。
どうして分ったか?と、聞かれたが、自分でもよく分らなかった。
入院していた病室の隣の棟は産婦人科で、小さい頃に妊婦さんとお友達になったから、分ったのか?
それとも、女の野生の勘なのかはわからないが……
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