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学校では、進路の時期を迎えた。
地元の雄武高等学校か、隣町の興部高等学校か。
私の中で……既に決めていた。第1希望:興部高等学校……と。第2希望は白紙、記入はしなかった。
地元の高校に行ったとしても、自分は変われないと分っていたからだ。
隣町の高校に行く事は、校長先生は認めなかった。
生徒が行きたい高校は、それなりに応援するはずの先生が認めたくない理由があった。
体の弱い私が、隣町の高校に入学して、体調を崩したらすぐに家にも帰れないし、何かあれば親がすぐに行ける距離ではないからだ。
地元の高校に行けば、なんらかの対象は出来るからだ。
喘息の発作もあるから、通い慣れている病院も近いからと話をしてくれた。
新しい所で、イジメがないとも言い切れない。
それが、先生が認めない理由だった。
「先生…蘭ね。雄武高校には行きたくないの。万一行ったとしても3年間続けられる自信ないんです。……逃げって訳じゃないんですけど、眼帯しようと決めてますし、喘息の薬も持って行きます」
眼帯…内心眼帯をして、見た目を隠せばイジメられることはないと思っていた。
でも、不安が二つある。
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