-高校生活-

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あの頃は聞けなかったが、どうして蘭に声を掛けたの?と、以前に聞いた時があった。 するとあっさりと堪えた。 「入試の時に、あ~ぁ双子ちゃんだぁと思って、蘭に目を付けてたのさ~♪なんかさ、友香にはない感じのモノを感じっていうか(笑) 同じクラスだったら良いのにって思ってたら、なったからさ~友香嬉しくって」 「クラス違ってたらは?」 「それでも会いに行ってた(笑)」 と話をしていた。 でも、当時はそんな事言い合う関係でもなかった。 休み時間、友香は私のところに来た。 「ねぇねぇ、名前教えて。あたしは友香、大屋友香って言うの」 「蘭…丸山蘭です…」 「蘭って花の名前?友香は友達の“友”に香りの“香”で友香っていうんだ。よろしくね」 見た目と会話にギャップが……と思った。 でも、友香は絶対って言う程、聞かない事があった。色々と聞かれたが、眼帯している理由は聞かなかった。 他の人はどうして眼帯なんかしてるの?って聞かれて、ドジしてぶつけたと言うが、友香は聞かなかった。 友香は、“蘭から教えてくれるのを待っていた”と。 この子は他の子とは違う。そんな友香に少しずつ惹かれていたのかもしれない。 自分にはないもの… “はっきりものが言えて、勇気があり、仲間がいても誰にも染まらない自分の色を持っている” こんな事友香に言えば、照れちゃうじゃん~と笑うだろうな。でも、ホント事だし。 でも、友香の場合は、友香にないもの… “その場の状況を見て、はっきりものが言えて、勇気があり、誰にも染まらない独自の色を蘭は持っている”という。 余は同じ事を思っている。 似ているんだ。うちらは……
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