366人が本棚に入れています
本棚に追加
あの頃は聞けなかったが、どうして蘭に声を掛けたの?と、以前に聞いた時があった。
するとあっさりと堪えた。
「入試の時に、あ~ぁ双子ちゃんだぁと思って、蘭に目を付けてたのさ~♪なんかさ、友香にはない感じのモノを感じっていうか(笑)
同じクラスだったら良いのにって思ってたら、なったからさ~友香嬉しくって」
「クラス違ってたらは?」
「それでも会いに行ってた(笑)」
と話をしていた。
でも、当時はそんな事言い合う関係でもなかった。
休み時間、友香は私のところに来た。
「ねぇねぇ、名前教えて。あたしは友香、大屋友香って言うの」
「蘭…丸山蘭です…」
「蘭って花の名前?友香は友達の“友”に香りの“香”で友香っていうんだ。よろしくね」
見た目と会話にギャップが……と思った。
でも、友香は絶対って言う程、聞かない事があった。色々と聞かれたが、眼帯している理由は聞かなかった。
他の人はどうして眼帯なんかしてるの?って聞かれて、ドジしてぶつけたと言うが、友香は聞かなかった。
友香は、“蘭から教えてくれるのを待っていた”と。
この子は他の子とは違う。そんな友香に少しずつ惹かれていたのかもしれない。
自分にはないもの…
“はっきりものが言えて、勇気があり、仲間がいても誰にも染まらない自分の色を持っている”
こんな事友香に言えば、照れちゃうじゃん~と笑うだろうな。でも、ホント事だし。
でも、友香の場合は、友香にないもの…
“その場の状況を見て、はっきりものが言えて、勇気があり、誰にも染まらない独自の色を蘭は持っている”という。
余は同じ事を思っている。
似ているんだ。うちらは……
最初のコメントを投稿しよう!