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なんとか数学、化学、社会の追試に受かり、残りは大の苦手の英語だけ残ってしまった。
授業は簿記の時、簿記の授業中にも関わらず先生は、明らかに簿記とは関係ない話をしていた。
話を聞きたくない生徒は問題集をやったりしていた。
私はと言うと…昼休みに行われる英語の追試の問題を解いていた時。
「丸山さん、何をしているんですか?」
「…………」
「せんせ~丸山は2人居るんだぞ~」
何故2人居るかと言うと…もう一人は麗だったからだ。
興部高等学校は普通科専攻。
1年の最初は、全員普通科の授業だが、2年、3年になると、生徒は就職コースと進学コースを選ぶ事が出来る。
中には共同授業行われる事もあるので、1クラスに2コース組は当り前である。
簿記は就職コース専門。私は進学は出来ないので、就職コースを選択していた。
麗も早く就職に付きたいと言う事で就職コース。親友の友香も就職コースを選んで居た。
だから、A組の就職コース組とB組の就職コース組が合同授業がある。
教室に丸山姉妹が居るのは勿論知っている先生達だから、呼ぶ時は“蘭か麗”
「失礼…蘭さんの方です。何してるんですか?」
「ナニって?どう見ても英語ですけど?」
「今は簿記の時間ですよ?英語は簿記には関係ないんです」
「田中(女)先生…先生が今、話している事は簿記と関係ある話なんですか?そんな下らない話を聞く暇があるなら英語をやっていた方がマシだと思いまして」
「な…」
麗は呆然と蘭の方を見ていた。勿論、友香もだった。
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