-高校生活-

13/16
前へ
/122ページ
次へ
眼帯を指摘された時、涙が出なかった……怒りもなかった。 一番の問題児の前に眼帯を外して素顔見せるなんて…… そして、あんな言い方。 なんとなく…声を聞くと、どういう性格の持ち主なのかが分ったからだ。 確信はないけど、絶対に当たるとか言い切れないけど、 あいつにはああ言う冷たい言い方の方が効果あると感じていた。 まあ、中学校にいた佐々木には通用しないだろうな。 無理だとわかる相手には本能的にダメだろうと頭が教えてくれる。 眼帯を付けて、資料室を出た時、向えで体育座りをした麗の姿があった。 「蘭、大丈夫?嫌な事言われたの?ごめんね、麗、蘭に何もしてあげれなくって」 「大丈夫だよ」 「あ、さっきね。小出が出て来た時に、“ほんと蘭ちゃんに申し訳ない”って言ってたよ」 「そうなんだ」 麗には眼帯外して見せた事はいわなかった。 友香には話をした。一部始終を…。すると、 「すごいじゃん♪蘭カッコいい~友香も分るの?」 「分るっていうか……なんとなくだよ。絶対にって訳じゃないけど」 付合いが少し長いから、なんとなく“勘?”が働くのかと思った。 友香の性格をああ~で、こうかなと話すと当ってる~と喜んでいた。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加