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眼帯を指摘された時、涙が出なかった……怒りもなかった。
一番の問題児の前に眼帯を外して素顔見せるなんて……
そして、あんな言い方。
なんとなく…声を聞くと、どういう性格の持ち主なのかが分ったからだ。
確信はないけど、絶対に当たるとか言い切れないけど、
あいつにはああ言う冷たい言い方の方が効果あると感じていた。
まあ、中学校にいた佐々木には通用しないだろうな。
無理だとわかる相手には本能的にダメだろうと頭が教えてくれる。
眼帯を付けて、資料室を出た時、向えで体育座りをした麗の姿があった。
「蘭、大丈夫?嫌な事言われたの?ごめんね、麗、蘭に何もしてあげれなくって」
「大丈夫だよ」
「あ、さっきね。小出が出て来た時に、“ほんと蘭ちゃんに申し訳ない”って言ってたよ」
「そうなんだ」
麗には眼帯外して見せた事はいわなかった。
友香には話をした。一部始終を…。すると、
「すごいじゃん♪蘭カッコいい~友香も分るの?」
「分るっていうか……なんとなくだよ。絶対にって訳じゃないけど」
付合いが少し長いから、なんとなく“勘?”が働くのかと思った。
友香の性格をああ~で、こうかなと話すと当ってる~と喜んでいた。
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