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付き添いも必要ない。
蘭は18なんだもん……大丈夫だよな。
やっと、酸素マスクから開放され、冷たいポカリを飲んだ。
“あぁ…炭酸系が飲みたい”頭の中では、炭酸ばかりだった。
「かよちゃん付添いとか必要なの?」
「一週間は必要らしいよ」
「蘭なら大丈夫だよ。ひーちゃん(愛犬)ムッちゃんだっているんだからさ。看護婦さんいるから大丈夫だよ。前みたいに、ICUに入らなかったんだもん大丈夫だよ」
「大丈夫なの?」
「うん。ご飯食べたら、歩けるよ」
「手術してばかりなんだから、歩いたら危険だよ?」
「変なところを点滴している訳でもなければ、おしっこの管(くだ)もないから大丈夫。血の管とポシェットだけだし」
蘭の会話に涙を拭いて聞いていた麗。
左頭の方をじっと見て、管の中に血が流れて、横に備え付けのパックに血が溜まっていた。溜まったパックは番号が書かれて、点滴で、体内に戻す。
麗は、自分で見た事ないから、蘭に聞いた。
「蘭…この出ている血って、そこに入ったら、どうするの?捨てるの?」
分らないから…麗は聞く。
蘭が知っている事なら教えて行こう。
「コレね、ほら、ここに管っていう長いのがあるでしょ?蘭は手術の時にいっぱい血が出るから足りなくなるんだよ。最初の輸血は調べれるけど、それじゃ足りないから、自分の血を少しずつ抜いて、このパックに入るの。いっぱいになったら、点滴に入れられた輸血がなくなったら自分の血をいれるんだよ。自分の血だから体に戻るだけなんだよ」
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