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しばらくしてから3歳となった時、私に異変が起こった。
両親は双子を養う為に共働きに出ていて、私達は夜間保育園にいれていた。
お風呂に入れる時に、私の左腕に、擦り傷があった。
擦り傷にしては妙な感じがした。
転んだ擦り傷なら膝にもあるだろうと思ったら、膝には擦り傷がなかった。
何だろう?
この傷は?と、思った。
蘭が歩いている時……
真っ直ぐ歩いていない。
左の方左の方へといっている……
何か不安が過ぎり、病院へと迎った。
母の不安は見事に当たっていた。
左目の筋肉に本来溜まる筈のない脂肪が溜まり、眼球を圧迫していた。
そのままにしていたら、
脳への障害になり、生命にも危険性が高くなり……余命も1年もなかった。
延命を望むならば、筋肉切除して進行を止めるしか他はなかった。
愛娘の命を繋ぎ止める為……両親は選択を強いられていた。
蘭が助かるなら……と、助けを願った。
急遽手術になり、左目の筋肉切除した。
検査を行ったところ、神経線維腫症の発祥源は左目からこめかみ……左顔の頭からかけてとわかった。
こめかみに球根みたいなのがあり、脳や顔にかけて根を生やしていると言われた。
蜘蛛の巣状態と言った方がわかりやすい。
球根状を摘出しても、根ほんの僅かでもあれば何度も手術を繰り返さなければならない。
頭蓋骨は本来なら出来上がっているはずだが、私の場合薄っぺらいプラスチック状の柔らかいもので、万一ぶつければ、致命傷になりかねない。
蘭は麗と同じ様に普通に……
健常者と同じ生活をして欲しい。
ぶつけない様に言いかせる。
私が3歳半で、本当の顔を失った。
唯一、幼い頃の写真でしか、本当の顔しかしらない。
術後の結果は希望の見えない結果だった。
「脂肪を切除しても、とりきれませんでした。
蘭ちゃんが痛みを訴える様でしたら、1度受診して下さい」
こうして私は新たな生活と闘病生活が始まった。
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