君の手

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「ちょっと、何処まで連れてくの?」 「もう少しだって、ほら見えて来た!!」 「え、あっ…」 「やっと気付いた?」 彼にそう言われて気付いたのは、初めて2人で行った公園。 想い出が溢れている場所。 此所で僕は彼と出会い、別れたんだ――― ――――――――― ――――――― ―――…… 「やっぱり…」 そう言えば彼は顔を歪ませ、俯いてしまった。 「ごめんな…?どうしても最後に此所に来たかったんだ。俺とお前が初めて会った場所だからさ…」 「…っ、最後だなんて言わないで……」 「仕方ないだろ?もう時間が無いんだからさ…」 嗚呼、何でこうなってしまったのだろう。 僕と彼はずっと一緒に居たかっただけなのに。 どうして、僕から彼を奪ってしまうの―――?
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