君の手

5/7
前へ
/55ページ
次へ
「もう時間みたいだな」 「…っ!?いやだ、いかないでっ!!」 「ごめん、な…」 彼の体が徐々に透けている。 もう別れの時がすぐそこまで迫って来ている。 零れる涙もそのままに消えていく彼の手を強く握った。 「忘れない、から…僕の手を引いて一緒に居てくれた事、忘れないから……だから…」 「あぁ。分かってる。姿が見えなくてもずっと傍に居るよ」 「ありがとっ…」 「じゃあな…  ……―――大好きだよ、瑞希」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加