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「もう時間みたいだな」
「…っ!?いやだ、いかないでっ!!」
「ごめん、な…」
彼の体が徐々に透けている。
もう別れの時がすぐそこまで迫って来ている。
零れる涙もそのままに消えていく彼の手を強く握った。
「忘れない、から…僕の手を引いて一緒に居てくれた事、忘れないから……だから…」
「あぁ。分かってる。姿が見えなくてもずっと傍に居るよ」
「ありがとっ…」
「じゃあな…
……―――大好きだよ、瑞希」
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