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 大きな流れが大陸を覆っていた。迷走を続ける狂気の流れが。  名も無きものに名を与え、媚び諂う自慰行為。盲信とは恐ろしく純粋で、そして滑稽だ。  彼らが定義するところの神が実在するのならば、それは観測者として失格と言っていい。知覚できないからこそ、観測者は観測者足り得るのだ。  しかし、私とてその資格は無いのかもしれない。それほどに私は人間という存在に傾いでしまっている。  見届けよう、一つの結末を。このちっぽけな歴史の一幕を――
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