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とりあえず、毅と一緒に視聴覚室に向かう。
てか、何で視聴覚室って基本学校の最上階なんだろ?まぁいいか。
視聴覚室に着くとたくさんの生徒でごった返していた。
毅が担任と思われる狐みたいな先生に声をかけた。
「先生!連れてきました!」
「遅いぞ!みんな教科書渡してもらってるからあの列の最後に並べ!」
言われるままに最後尾に並ぶ。
「なんか狐みたいな顔やな」
「さっきのフグといい、この学校は水族館と動物園の集まりか」
違いねぇと毅が笑っていると前にいた女の子が声をかけてきた。
「これ…先生が渡しといてって」
手渡されたものを見ると教科書のリストだった。
「ありがとう」
「いいえ」
その子はめちゃくちゃ可愛いとかじゃなくていかにも優等生という感じがした。
俺の苦手なタイプだ。
きっと中学の時のやつみたいに文化祭とかで仕切るんだろうなぁ…
一通りの教科書を抱え込み教室へ戻る。
教室に入り席を探す、するとまたさっきとは違う女の子に声をかけられた。
「ここだよ。」
「ん?おぉ、サンキュー」
「えっと…伊達くんだよね?」
「うん。君は?」
「あたしは佐々木由美、よろしくね☆」
「よろしく」
「俺は宮本毅~☆」
いつの間にいたんだこいつは…
毅は俺の耳元で囁いた。
「…この子だぜ…さっき言ってた…」
あぁこの子か…確かに可愛い、でも俺のタイプじゃないな…
「確かに可愛いな」
「だろ?俺の目に狂いはねぇ」
「そだな」
そんなこんなで教室のざわめきが収まり、担任の狐が自己紹介から入り、うだうだ~…
この時の俺の気持ちは隣の子なんてどうでもよく、ただ…
「……帰りたい」
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