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担任の自己紹介が終わり、次は俺らの番になった。
出席番号順に自己紹介が進んでいく。
中には一発芸やらものまねなど、うけを狙ってクラスに早く馴染もうと考えている奴らもいた。
正直、笑えなかったし、俺にそんなネタがあるはずもなく俺の番になった。
「次~、伊達!」
「はい」と
席を立ちみんなの視線が俺に向けられる。ふと見ると毅がニタニタしている。
キモい。
壇上に立ちみんなを見る。
うわぁ~みんなこっち見てる。逃げたくなってきた。
意を決して口を開く。
「え~と、伊達です。伊達紀明です。特技はありません。趣味は…」
思わず素直に言うところだった。なぜなら、俺の趣味はちょっと変わっている、というか変だと思う。
「特にないです。…これからよろしくお願いします。」
まばらに拍手が起こる。やっと終わった、ほっと胸をなでおろし席に戻る。
席に座った時、佐々木さんに話しかけられた。
「伊達くんって趣味あるんでしょ?」
なに?まさかさっき一瞬つまったので気付いたのか?驚くべき質問に軽く「ないよ」と答えると「本当に~?」と言ってきたが、
俺の趣味は特殊なんでましてや女の子には言えない。
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