一話
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それで、良かった。 そうなることを、望んでいた。 なのに…… (なのに、どうして。 なんであんたは) 「そんなことないですよ? ね、黎架さん」 目の前で言葉を放つ彼は私を見て同意を求めてくる。 微笑みかける彼がどこか偽善者じみて見えて、何故か胸の奥が苛ついた。
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