序章~始まりの季節

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20X3年5月18日 AM5:30 青森県青森市波館 陸上自衛隊官舎街。 まだ肌寒い5月、歩く人もまだまばらな官舎街。 [ジリリリリリリリ] 閑静な官舎街に似合わない目覚まし時計の連続音。 彰「ん~ でんだよ この時間に設定した奴は…」 と 呟くと、すかさず頭上、右棚上、足元で音を出している目覚まし時計のOFFスイッチを押す。 その時間、僅か数秒。 目覚ましを止めたと同時にまた眠りについてしまう。 [ダンッ!] 勢いよく部屋のドアが開けられると同時に罵声が飛んでくる。 綾菜[アンタッ、何時まで寝てんのさ!?] 彰[うるせぇよ、クソババア…今日は休む…] 最後まで言い切る前に布団が剥ぎ取られ、また罵声が飛んでくる。 綾菜[早く起きれ アホ!] 彰[何すんだ!クソババア!] 綾菜[今・日・は・朝・練・じゃないんか~!?] 朝練?朝練…朝練!??…確か朝7時集合だったは…………。慌てて振り向いた目覚まし時計は、 現在の時刻 AM6:41。 …時計は正直だ。 右の棚にただ掛けてある制服をわしづかみにし、ベッド階段を落りようとしたその瞬間… [ダダダダンッ!!] お約束通り、ベッドの階段から滑り落ちる。
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