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パイロット達の無線の向こうから、B-2に搭乗する若い女の声が聞こえてきた。
『こちらアウター機。閉鎖国ロストヘブンまでの護衛に感謝致します』
「こちらブラボー1。礼には及ばない。逆に俺達のチームを護衛役に選んでくれて感謝したいくらいだ。こんな凄い都市を見れたんだからな」
だが、その美しい都市を見れるのも、これが『最後』だと思うと、無性に胸を締め付ける痛みが走る。
『では、作戦を開始します』
無線が切られた。
途端、B-2の下部から何かが投下された。
彼等の任務内容――国際会議により決定された極秘作戦。
それは、人類の脅威と判断された、大都市エデンの壊滅だった。
誰もが呼吸を停止させた。
B-2から投下された兵器が、吸い込まれて行くように大都市エデンの中心地へ落下していき……その一秒後、美しかった光景が瞬く間に一変する。
まるで都市の中心に、小さな太陽が誕生したようにも見えた、が、灯された光は、静かに破壊と轟音を拡大させていく。
突如と降りかかる暴威に、エデンに住まう人々は成す術もない。
先程までの歓喜な声はどこへ行ったのやら。
手を下していないとはいえ、パイロット達はこの一件に関わっているという実感に、改めて恐怖していた。
また、無線から女の声が、僅かにキーボードを叩く音も聞こえた。
『ミッション開始時刻、午前〇時。大都市エデン内の研究施設及び軍事施設の破壊を確認。並びにロストヘブンの権力者数名排除終了。民間人死傷者及び負傷者数不明』
キーボードの叩く音が消えた。
『ミッション――コンプリート』
―――。
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