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言われた途端、背筋が凍る。
すぐにあいつがどこにいるのか探し出す――いた。
ヤバい。
物凄く怒ってる……。
平然とあいつの前にのこのこと現れたら殺されそうな勢いだ。
「悪い。もう行く」
そう言って、俺は彼女に背を向け、一歩駆け出す。
「待って!」
呼ばれた反動で思わず振り返ってしまう。
「さっき言った事、絶対だからね」
「……ああ、任しとけ」
「絶対だよ」
手を振る彼女を目に焼き付けながら、俺は急いで駆けて行った。
一人になった彼女は、空を仰いで呟く。
「雨が、降りそう――」
―――。
――。
―。
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