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「これ・・ミカのだよな。なんでお前が持ってるんだよ。」
亜季の瞳は圭一郎を貫く。
「それは・・。僕のだから」
お揃い物を持っている事が他人にバレる恥ずかしさ、言葉の後半は失速した。
「写真だけじゃねぇーのかよ、そんなに盗んで何が楽しいだ?」
「え・・・・」
圭一郎は亜季が誤解した事を理解するには時間が足りなかった。
「ふざけるなぁぁぁ!!」
パグン!!
亜季の拳は圭一郎の頬を完璧に捉えていた。
床に頭から落ちる、痛さよりまず視点が定まらない事に焦りを感じた。
それでもぼやけた視界でミカが両手で口を押さえている姿がわかった。圭一郎はミカに映る自分の姿は無様はないか、殴られた驚きよりもそれだけをとっさに心配していた。
(僕はバカだよな、こんな状況なのに何期待してるんだろ)
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