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圭一郎は今年で23になる。性格は小心者で人見知り、目立つのが好きじゃない人が怖い。
いや嫌われるのが怖い、どう思われているのかが怖い。
だから群れるのが苦手、だから人を好きになれない、なろうと思わない。
人と話す時、目を長く見れない。恥ずかしい訳じゃないどう見ていいかわからない。解ろうと思わない。
所詮他人なんて、所詮他人なのだ。
「椿さんて名前みたいな名字ですね」
よく言われきた。
「けいいちろうの漢字は圭一郎であってますか?あ、合ってますか」
何度目の面接だろう、そして何故この人は履歴書を見ないで口が先に動くのだろう。質問を投げかけては履歴書に目を落として勝手に自己解決しているのだ。
面接官は自社独自の書類の穴を埋めている。ただの作業をこなしているようにしか見えない。
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