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暗闇から暗闇へ。それでも私は、暗闇を歩き続ける。私は、アンデッド。
「お嬢ちゃん?」
「はい。」
「何処へ行くんだ?何処まで行っても世界は暗闇だぜ?」
私は、それでもよかった。ここで立ち止まって朽ち果てるよりか、暗闇の中を歩き続けている方が、遥かに生きてる心地がしたから。
「おじさんは、世界を全て歩き回ったんですか?」
「ハッ!まっさか!」
「じゃあ、世界が本当に暗闇なのかは、想像?」
「……お嬢ちゃん?クソみたいな希望なんか、ぶら下げてんじゃねぇよ?いいか?世界は終わったんだ!俺達は、アンデッドだ!」
確かに、世界は終わった。確かに、私は希望をぶら下げていた。確かに、何処まで行っても世界は暗闇だと思う。アンデッドな頭では分かっていても、それでもアンデッドな体が勝手に動いてしまう。
「………それでも私は、行きます。何処までも。」
「そうかい。」
「さようなら。」
「ちょい待ち!」
「はい?」
「俺も行く。」
「えっ?」
「悪いか?」
「いえ。」
「ヨロシクな。」
「こちらこそ。」
アンデッドな私でもまだ、こうして笑えるなら、もう少しだけ、希望をぶら下げて歩き続けてもいいよね。
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