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「これ、緑茶ですか?」
「ええ、緑茶ですよ。」
「何か、これ、何色って言ったらいいのか表現出来ませんが、絶対に緑色じゃないですよね?」
「いや、こっから見ると緑色に見えますけどね。」
「はい?」
「だから、お客さんの角度では、朗らかな色に見えるかもしれませんけど、私の角度からは、緑色に見えますよ?何もかも。」
「朗らかな色と言うか、お茶らしからぬ殺伐とした不気味な色にしか見えませんけど?それに、だいたい緑色に見えるって、店員さんの目が緑色一色だからでしょ?」
「ああ、だからいつも全体的に緑色だらけに見えるんですね。なるほどね。病気ですかね?」
「知りませんよ。医者じゃないんですから、てか宇宙人?」
「いえ、地底人。」
「そうなんだ。ええーっ!!今、何て!?」
「死ねって言いました。」
「いや、地底人って言ったでしょ?誤魔化すにしても客に言っちゃダメな一言だからね?」
「いえ、30秒前に勤務時間が終了していたので、あれはプライベートな一言です。」
「じゃあ、毒じゃん!これ、緑茶じゃなくて、完璧に毒じゃん!」
「かもね~。」
「かもね。じゃねぇよ!」
「お疲れ様です。」
「お疲れ様。って、おい!」
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