私ですか?!

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空は青く晴れわたり、まだ風が少し冷たいが時折、舞飛んでくる桜の花びらが春を感じさせてワクワクする。 今日は、青南陵(せいなんりょう)高等学校の入学式。 私、中澤 渚 (ナカザワナギサ)は晴れてこの高校の1年生になった。 門を潜ると待ち構えていた先輩に案内され、体育館に向かう。 「あそこに自分のクラスが貼り出されているから確認して、席に座って待っててね」 「あ、はい」 先輩に言われた通りにクラスを確認すると、私は1年D組だった。 指定された席に着き、緊張しながらも空いている席が埋まっていくのを眺めていた。 暫くすると、壇上が騒がしくなり入学式が始まった。 ……どうして 卒業式とか入学式の先生達の話しって、長いんだろう。 あくびを噛み殺しながら聞いていると、新入生代表のあいさつとなった。 「新入生代表、高橋徹」 「はい!」 どんな人物か興味が湧きつつも襲ってきた睡魔に勝つ事が出来ず、顔を見ることが出来なかった。 少し、残念。 ウトウトしているうちに入学式が終了し、教室に行くことになってしまった。 担任の先生は原宏先生。 数学が担当、中年で少しガサツそうに見える。 原先生から、明日以降の説明を聞き今日は終わりとなった。 緊張してて 誰とも話してないなぁ…… まぁ、明日から皆と仲良くなればいいよね! ――――――― ―――――――――――― 入学してから1週間が過ぎた。 私は、登校時間より少し早く学校に到着しトイレへ向かう。 学校に着いてからまず始めに、身だしなみのチェックを行うのが日課になっていた。 ハイソックスの長さ。 スカートの折り目。 ブレザーのホコリ。 リボンのずれ。 胸元まである髪を整え リップを口元へ。 「よし、完璧!」 チェックが終わると丁度良く扉が開き、クラスメイトが入ってきた。 「あれーおはよう!朝早いね」 「おはよう、ぐふふ!素敵な一日は朝のゆとりからってね!」 「なにそれー!しかも、ぐふふって面白いね、中澤さん」 よし! 準備終わったし 今日も一日がんばるぞ~っ!! .
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