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ある日の夕方、僕がいつも通り家に帰る途中だった。
家の周りに数人の大人がいるのが見えた。
あの妖狩りでいい成績をあげた人達だとわかった僕は嫌な胸騒ぎがして家へと急いで帰った。
悪い予感は当たってしまったらしい。
「かっ母さん!?」
大人逹が囲んでいたのは血まみれで倒れていた母さんだった。
死んでいるのか生きているのかもわからないぐらい真っ赤な母さん。
僕は信じられなかった。
いや信じたくなかった。
「この女は妖狩りに反対した。それは妖怪の味方をしたということだ。」
「それが死に値する大罪だとわかっているな。愛華。」
血まみれな母さん。
同じく血まみれな刀を持った大人逹。
大罪。
死。
頭の中でそれらがぐるぐると回り、やがて怒りへと変わっていった。
「・・・呼ぶなよ。」
「どうした。愛華。」
「母さんを殺したあんた等がその名前で僕を呼ぶなよ!」
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